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1998年NHK大河ドラマの原作。
98年というと10年くらい前ですから、
詳細を覚えていてもいいのですが…
愛人のお芳に言った「お芳・・・およし」しか覚えていませんでした。
人間の評価は、思想や知能ではなく、その者がどの程度の権力をにぎっているかということで計算せねばならぬということを、慶喜はいやというほどに知らされた。
大組織にありそうな人間関係の軋轢を
悟った慶喜は、さぞ歯痒かっただろうなあ。
そんな軋轢から自分を守るために、
言葉の合間をぬう激論家というか
ひねくれ者になっていったんだろうなあ。
え、このとき23歳?
板倉がおもわず見あげたほどにこの沈黙は異様で、慶喜のまわりだけ別な密度の空気が青い膜をはりめぐらせているようであった。
将軍職を相続した瞬間、
歴史の圧力を思い知ったんだろうなあ。
もともと慶喜は、徳川宗家も将軍職も
相続できる立場じゃなかったんですよね。
しかし、幕末の争乱の中、
幕府を立て直せる人がいなかったために
相続することになった、とあって
なんか同情していまいました。
これほどの謀才を、自軍の退縮のためにのみつかい、勝利のために使えぬというのはどういうことだろうか。
歴史と伝統ある会社を
たたむ羽目になった社長のようです。
絶対恭順であった。他の何ものを犠牲にしてもこのひとすじをつらぬかねばならなかった。
慶喜、器用貧乏。
権謀と弁論に長けたけれど、
本心を見せない性格とその性格を本人が気づいていないことが
この話のおもしろさと悲しさを出していると感じています。


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